あゆあゆ探偵24時



今から、1つの話をしょう。
名探偵と言われた少女。
その少女は砂道を歩いていた。
毎日のように事件が読んでいた。
その少女宛に・・・。
そして、今日も一通入っていた。

その手紙には書かれていた。

名探偵さん、助けてください。
私はたい焼き屋をやっているものですが、
毎日のようにたい焼きを食い逃げする奴がいるんです。
もう、本当に困っているんです。
助けてください。

その少女はもう犯人が見抜けてしまったようだ。
名探偵といわれるだけあるとはいえ、手紙を見ただけで犯人が分かるとは本当にズゴイ。
「その犯人の招待は・・・」
あざやかに確信をしている。
「つまり、ボクだ。うぐぅ・・・、なんでこの事件だけ毎日のように依頼されるんだろう」

ー事件は起きた。

あゆあゆ探偵に・・・。
事件が呼んだ。
あゆあゆ探偵はその時、いつものように商店街で探し物をしていた。
探しているものは探偵であり探している本人でも分からなかった。
バーーーン
銃声が響いた。
野次馬が走っている。
「何だろう? うぐぅ・・・、こわいよ〜」
あゆあゆ探偵24時の出番だった。
「よ〜し、事件だ。でも、怖い事件だから今日はお休み」
オイ
女の子が連れ去られたそうだぞっと声が聞こえてきた。
騒いでいる声を聞いているとさらわれた少女の名前は栞だそうだ。
あゆあゆ探偵は振り向いた。
「女の子にヒドイことするなんて許せない」
じゃあ、連れ去られた子が男だったら出なかったのかよ。
あゆは走った。
全速力で走った。
突然、車が目の前から走ってきた。
あゆはとっさに避けた。
「うぐぅ・・・、危ない車だよ・・・」
「もしかして、犯人の車!?」
探偵の直感が働いた。
「犯人の車だ・・・」
あゆあゆ探偵は車をずっと見た。
「だって、ボクはちゃんとした女の子だもん」
関係ない関係ない。
でも、そんなことを言っているうちに車を見失ってしまった。

どうしょう・・・
困った。
まったくといってもいい程に、手がかりがない。
いや、わざと遠くに行くと見せかけて実は近くにいるかもしれない。
だとしても、手がかりはない。
「うぐぅ、発信機ぐらい車につけておけばよかったよ」
というわけで、迷宮入り
って、そんなわけにはいかない。
車のナンバーは覚えているとはいえ、本当にどうしょうもなくなっている。
結局、事件当日は何もできなかった。

翌日

昨日のことはTVにも流れていた。
未だに、美坂栞という少女が誘拐されて行方不明となっている。
犯人の、要求もない。
どうやら、警察もお手上げ状態のようだった。
その日、あゆあゆ探偵は商店街を歩いていた。
偶然にもあるものを見つけてしまった。
犯人の車を・・・
「見つけた・・・」
あゆあゆ探偵は発信機を車につけた。
「よし、これで大丈夫だ」
しばらく、放れることにした。
「あっ、クレーンゲームに新しい人形がある」
あゆはクレーンゲームに夢中になってしまった。

夕方になった。
「うぐぅ、全然取れなかったよ」
かなり落ち込んでしまった。
「あっ、車につけた発信機」
もう、ここから3キロほど離れた場所に車はいた。
あゆは走った。
車はすぐに見つかった。
倉庫の前にあった。
ここに連れ去られた女の子がいる。
あゆは倉庫の中に入った。

「うぐぅ・・・、暗くて怖いよ」
懐中電灯で辺りを見る。
周りを照らしたが見つからない。
「入るの・・・。うぐぅ・・・。怖いよ」
あゆは足音を殺して進んでいった。
幽霊が出るといけないと思っているせいか、あゆの足音と思えないぐらい静かであった。
見つけた。
栞という少女を見つけた。
縄で縛られていた。
あゆあゆ探偵は縄をほどいてやった。
「今、ほどいてあげるからね」

「あ、ありがとうございます」
栞は深くお辞儀をした。
それと、同時に足音が聞こえてきた。
ドタ、ドタ、ドタ
足音がだんだんと大きくなっていく
あゆあゆ探偵は栞の足だと逃げられないと実感した。
「隠れて!!」
「あ、はい・・」
栞は、武器などを入れる木製の箱の中に入った。
バタン
目の前の戸が開いた。
男、一人。
あゆあゆ探偵の力ではとても無理な相手だった。
逃げるしかない。
「そこまでだな」
でも、逃げる場所がない。

あゆあゆ探偵は相手の隙を狙って左の扉へ逃げた。
「逃げる気だな」
階段をかけのぼる
「だが、先は行き止まりだ」
逃げ場はないところを選んでしまった。
塔を登っていく。
ダッ、ダッ、ダッ
そうとも知らずに、塔の上を登っていく。
上に、誰かいる!?
囲まれた!?
「何してんだあゆ」
一人の青年が目の前に立っていた。
「ゆ、祐一くん」
「その上は、塔だ」
「上まで行ってしまえば、逃げ場はない」
「そこの窓から、逃げるんだ」
「う、うん」
窓を開けた。
まだ、上の方まで行っていなかったので縄を使わなくても降りれる程度だった。
屋根の上を走る。

「残念だったな」
目の前にいた。
栞もいた。
「さすがに、窓から逃げることぐらい予測してたさ」
「ゆ、祐一さん・・・」
「栞から離れろ」
「おっと、これ以上、近づくな」
緊張が走る。
その男は、刃物を栞の首に置いた。
「うぐぅ・・・。そ、そんな、ひどいよ・・・」
あゆは怖くて固まってしまった。
「あゆ、落ち着け」
祐一が励ますが、あゆにはとてもたえられる状態ではなかった。
「ふ、あきらめるんだな」
「うぐぅ・・・。どうしょう・・・」
男が前に進んでいく。
「離れろ」
「いったん、離れるぞ」
窓から入り、階段を下りた。
あゆは怖いのか急いで階段を下りた。
男が窓の中に入りあゆが逃げていくのを・・・
ドン
窓の下で隠れるようにしゃがんでいた祐一が男を捕まえた。
栞は逃げるように離れた。

祐一くんは、窓の近くでしゃがみこんで隠れる。
そして、あゆが階段を下りているところを見せる。
そうすると、男が祐一くんも人間の心理的に逃げたように見えてしまう。
隠れていた祐一くんは、男の隙を狙って捕まえる。
祐一くんは最後まで栞を助けようとしていた。
ボクと、違って、最後まで助けようとしていた。
ボクは、また祐一くんに助けられた。

「祐一さん、強かったですね」
「祐一くんは強いよ。だって、ボクの男の子だもん」
二人は商店街で、歩きながら話していた。
「普段から、祐一さんはいい人なのですか」
「うん、ちょっといじわるだけれどホントにいい人だよ」

ボクはいつだって、助けられている。
ホントにダメな探偵だ。
でも、それでもいいと思う。

助けてくれる相手が祐一君だもん。